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ソーシャルワーク

「仕方ない」ではなく、
自分が何をするかを考えたい
ISHIKAWA TOKIKO
石川 時子
担当科目
社会福祉学概論、ソーシャルワーク演習、ソーシャルワークの理論と方法 他
今、もっとも関心がある研究テーマは?
「社会福祉のシステム」と「人を支援する側の価値観」を繋ぐ
社会福祉学を選ぶ学生さんは、そもそも「人の役に立ちたい」という思いを持っている人が多いように思います。最初は「資格を取りたい」だけだった人も、実習に行き、長期の演習カリキュラムを行う中で「その人の気持ちを考える」ことを体験して、どんどん変わっていきます。社会福祉の仕事は、まさに自分が役に立っていると体感できる恵まれた仕事だと思っています。私自身は大学を卒業後、一時期、行政の仕事を経験しました。社会福祉は、個人の気持ちに寄り添う、自己決定を中心とした支援が重要な価値に掲げられていますが、一方で、公権力に則った強制的な措置や介入を行うことも大きな役割として位置付けられています。人の支援をすることが強制的な介入も伴うという、すごく両極端なことをやっているジレンマを現場では経験します。その経験から「社会福祉のシステム」と「ソーシャルワーカーの価値観」をつなげていく研究をしています。
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その研究における醍醐味や、やりがいは?
ひとりひとりの問題を支援する
私の場合は文献をひも解いて、歴史的なことから現代まで、いろんな論者の意見を整理して分類する「言説分析」という研究スタイルです。社会福祉は、介護保険のように、多くの人にとって重要なことを制度化してきましたが、いったん制度化されると、その制度の中でしか動けないという側面が大きいのです。しかし、シングルマザーを例にとると「離婚したのは自己責任でしょ」という論調で、いくら生活が困窮していても、子どもが何人いても、中には育てにくい子がいても救済されない状況が長く続いています。しかし、制度や政策がカバーしないのは、問題を認識するわれわれの意識にも責任がある。何となくおかしいと思っていても「仕方ない」で済ませてきてしまったことを認識して、支援する必要がある、と気づいてもらえるような研究をしたいと思っています。また社会福祉は、制度も実践現場も、どうしても権力性をぬぐえないところがあり、自分がジレンマを感じながらも支配的に関わってしまったり、利用者さんにも我慢を重ねてさせてしまったりします。そういうことを「仕方ない」ではなく、明確に認識して、なくすのにはどうしたらいいのかを見いだし、現場に還元できる言語化をしていきたいと思っています。
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ご自身の研究領域で、どのように社会をデザインしますか?
誰かを助けることで、社会を変えられる
「ひとりひとりを大切に」というのは、社会福祉を学ぶ中で何度も出てくる理念です。ところが実践について日々、多くの相談を受けると、「また同じような相談か」と、さばくような仕事になってしまう人がたくさんいるんです。学生さんたちには「相手の気持ちをどう理解するか」ということを繰り返し沁みこませて自分の体幹にしてもらいたいですね。制度の不備をあげて「社会が悪い」と傍観者にならず「問題を問題だと思う」で終わらせることなく、「私に何ができるか」を考えるのが社会福祉だと私は思います。「こうであったらいいな」を行動してほしい。仕方ないとあきらめるのではなくて、自分で解決できる人になってほしい。ひとりひとりの事例にベストを尽くすと地域が変わり、社会全体が必ず変わっていくと思っています。社会福祉の仕事は大変で苦しいこともあるけど、そのぶんやりがいも大きい。誰かを助けることで「社会を変えられるかもしれないよ」と伝えたいですね。
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