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環境社会学

再生可能エネルギーの新たな道筋
「持続可能な社会」の実現に
YUASA YOICHI
湯浅 陽一
担当科目
環境と社会の歴史、社会調査の基礎 他
今、もっとも関心がある研究テーマは?
新たな再生可能エネルギーを普及させていくために
2020年からスーパーのビニール袋(レジ袋)が有料になりましたが、「ごみとリサイクル」の問題は学生にとっても身近な生活につながるものであり、関心が高いテーマです。僕の場合は、現地の人に話を聞きに行く“フィールドワーク”が基本的な研究スタイルで、市役所のごみ担当部署やゴミ処理業者、リサイクルに取り組む社団法人や企業などにインタビューを行っています。時には学生を連れて行くことも。まずはごみの世界全体を広く知ることが大事で、その上でいかに有効なリサイクルシステムを作っていけるかを考えていきたいと思っています。また、かねてからエネルギーに関わる研究をしてきましたが、東日本大震災における福島第一原発事故を経験して、早急に日本のエネルギー政策を見直し、再生可能エネルギーを普及させていく必要性を感じたことから、エネルギーに関係する人々にもインタビューをしています。ごみとエネルギーから「持続可能な社会」を考える研究をしています。
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その研究における醍醐味や、やりがいは?
ごみやエネルギーの構造を理解する
ごみの問題について、最近では「プラスチックをどうつきあうか」という視点から考えています。日本でペットボトルなどのリサイクルシステムの法律ができたのは20年ほど前です。そのときも国内で循環させる構想はありましたが、当時は経済成長の最中で、資源が欲しかった中国がペットボトルなどの廃プラスチッックを高く買ってくれていたことから、かなりの量が輸出されてきました。しかし、中国の国内市場が成長して2017年に輸入をやめたことで、日本はさらに年間何百万トンものプラスチックを処理しなければならなくなりました。その分、ごみ処理の施設も必要ですし、リサイクルするにしても設備や流通のシステムの整備、さらにそれをみんなが買って循環させなければなりません。最近ではプラスチックによる海洋汚染の問題もあります。リサイクルの取り組みは40年以上もの歴史がありますが、次々と新しい問題が出てきて、思うような成果は挙っていないのではないでしょうか。なぜ努力が実を結ばないのか。改めて全体を見まわし、この問題の構造を理解していきたいと思っています。
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ご自身の研究領域で、どのように社会をデザインしますか?
地域社会で電力を供給し、地域おこしにつなげる
エネルギーに関しては意見が分かれるところですが、僕自身は脱原発から再生可能エネルギーにシフトしていく流れが強まるとみています。その際、今まで原発があることで恩恵を受けていた地域は財政収入がなくなってしまうという問題が生じます。そのことを地元の人たちも心配しているのではないでしょうか。地域の活性化は難しい問題ですが、様々な取り組みが行われています。そこで僕は、地域社会で再生可能エネルギーによる電力を供給し、加えて地域おこしにつなげる取り組みがたくさんあることを広く知ってほしいと思っています。これを“ご当地エネルギー”と呼びますが、太陽光エネルギーなどによる小さな電力会社を地域で作り、その電力を都市部に売ることで、地方でも自立した経済が確立されます。これまで電力の市場は大手が独占してきましたが、電気の自由化により地方の市民団体なども市場に参入できるようになりました。いろんなタイプの人が、いろんな形で関わり合い共生することで、再生可能エネルギーの新たな道筋が見え、「持続可能な社会」の実現に少しずつでも近づけるのではないかな、と考えます。
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