社会学部では「国際社会福祉演習」の一環として海外フィールドワークを実施しています。今年度は11月2日から6日にかけて、韓国を訪問しました。訪問先は、ソウル市・原州市を中心とした社会福祉施設や大学などで、学生たちは現地の福祉現場を直接見学し、韓国の社会福祉制度や実践について学びました。
初日には、明知大学の金松美先生による講演「韓国における多文化共生社会、その実態と未来」が行われ、韓国社会が直面する多文化課題について理解を深めました。2日目には、麻浦老人総合福祉館(午前)、独居老人総合支援センター(午後)を訪問し、各施設における事業紹介の説明やデジタルケアロボットの展示見学などを通して、韓国における地域福祉の実際を学びました。通訳は、洪朝陽氏(東京外国語大学博士後期課程)が担当しました。
3日目には、原州市障害者総合福祉館館の見学をはじめ、国立江陸原州大学校・原州キャンパスにおいて、本学社会学部と国立江陸原州大学校社会福祉学科の『第3回日韓学術交流セミナー』が開催されました。
学術交流セミナーでは、韓国の朴ビョンソン先生と本学社会学部の湯浅陽一先生(学部長)による歓迎の挨拶から始まり、第1部では李宣英先生(学科長)が日本語で「韓国の高齢者住宅の現状と日本への示唆」というテーマで講演を行いました。第2部では、本学社会学部の学生たちがソーシャルワーク実習の成果や日本の文化について発表し、続いて、韓国側の学生による実習発表が行われました。同時通訳は私と李先生が務めました。
学術交流セミナーでは、日韓両国におけるソーシャルワーク実習の成果および福祉の現状を共有し、両大学のネットワークと実質的な交流を一層強化することを目的として、2023年から開催しています。学生たちが自らの実習体験を発表し、相互に意見を交わすことで理解を深め、今後の継続的な学術交流の基盤を築く貴重な機会です。
4日目には、ソウル市家族センターを訪問し、家族支援や多文化家族支援の現状について学びました。
今回のフィールドワークを通して、学生たちは「実践から学ぶ福祉」の重要性を実感し、なおかつ、国際的な視野で福祉を考えるきっかけを得ることができたと考えます。これからも社会学部では、国際的な教育・学術的交流を通して、多様な福祉実践及び多文化理解を深める機会を提供していきます。

みなさんの積極的な参加をお待ちしています!