私が、図書館に関わるようになってかなりの年月が経ちました。
最近特に感じているのが、図書館の中核的役割は“文化の伝承だ”ということです。
確かに、図書館の現場では毎日毎日、自分の業務に追われ、こんなことをゆっくりと考えている暇もないかもしれません。
しかし現在、大河ドラマでやっている紫式部が書いた『源氏物語』(1010年ころ成立)が今日に伝わっているのも、
多くの人々がこの物語を支え、子孫に伝えるよう努力してきたからに外なりません。当然、個々人が守り伝えていくことには限界があります。
今日では、その役割を図書館が担っているわけです。
いうまでもなく、どんな仕事もみんな立派な仕事なのですが、図書館の仕事はその中でも、文化を伝承するという仕事なのです。
どうです、みなさんも図書館司書になって、文化の伝承者として働きませんか。
今後、図書館がどのように変わろうとも、この役割は不変だと思います。
図書館は、“知の宝庫”と呼ばれることがあります。確かにそのとおりですが、
私はそれ以上に“文化の伝承機関”といういい方が好きです。
それは、この言葉こそが、図書館の本質を表していると思うからです。