2012年度現代社会学科のゼミ報告会が近づいてきました。私が指導する3年生ゼミでも、報告会に向けて、現在、鋭意努力中です。今年は6月ころから、学生たちが「終活」を取上げ、文献やインターネットからの資料をもとに、討論を重ねてきました。そして、10月からは、このテーマに関する小規模なアンケート調査の実施を地域の方々にお願いしているところです。
「終活」とは、「人生の終わりのための活動の略で、生前のうちに自身のための葬儀や墓などの準備、また、残された者が自身の財産の相続を円滑に進められるための計画を立てておくこと」です。アンケートのなかには、エンディングノートやお墓に関する質問が入っています。学生たちは、自治会や老人会の役員さんたちに、アンケートの実施をお願いしていますが、その際、「お墓のことなど縁起でもない」とか「プライバシー問題があるから」と断られることもあります。学生たちは落ち込むこともありますが、理解していただける説明法を考えたりもしています。逆に、あるところでは、「お年寄りが集まる会で『終活』の話を30分くらいしてください」と言われ、男子学生がはりきって今、その準備をしているところです。
地域ケアプラザや社会福祉協議会の専門職の方々にも御協力をお願いし、可能な範囲でアンケートを実施させていただくことになりました。学生たちは、授業の合間を縫って、そうした機関に出向いています。現在、社会福祉実習に行っているゼミ生も多いため、限られた人数でこうした作業をやっていますが、この後、実習を終えた学生も参加して、アンケートの集計作業や発表時の資料作成が行われる予定です。
ゼミ報告に向けてのこうした活動を通して、学生たちはさまざまな学びを体験しています。彼らの主体的な取り組みを後方から見て、ときどき支援するというのは本当に楽しいものです。