私は、図書館員を養成する司書課程の教員をしています。
私は本が大好きですが、本が好きになったきっかけはたぶん、小さい頃、
母親がよく読み聞かせをしてくれたからだと思います。
いろいろな話の中でも、とりわけ猫とかゾウとかの動物の話が好きでした。
さて、私の家には今、3歳のマルチーズ(雌)がいます。名前をプリンと言います。
もともと私は猫派で、犬は好きではなかったのですが、ひょっとしたきっかけで
我が家に住むことになりました。彼女はマンション内ではちょっとした人気者です。
家の中では暴れん坊ですが。
ところで、私の田舎の家にはずっと昔から猫がいました。どの猫もかわいい猫でした。
中でも、記憶に残っているのがトラです。
彼は、3年くらいしか家にいませんでしたが、当時小学生だった私と非常に気があって、
よく遊びました。私の布団の中で眠り、私のいすの隣で一緒にご飯を食べたものです。
野性味の強いところもあって、外ではスズメやネズミを取って食べていました。
でも、家の中では私たちに手を出したり、噛みついたりすることはまったくありませんでした。
トラは私が中学1年生の冬に、皮膚病で死にました。本当に残念でした。
そのときのトラの目が澄んだ美しいコバルトブルーだったのが、強く印象に残っています。
話はまだ続くのです。
その年の晩夏、なんとトラを埋めたところから1本のひときわ大きなひまわりが咲いたのです。
家族の誰も、ひまわりの種など蒔いていません。それでも、大きなひまわりが咲いたのです。
“トラは、ひまわりに生まれ変わったんだ”と家族で話したものです。
そのひまわりはまるで、トラが“僕を愛してくれてありがとう”と言っているようでした。
動物(特に、ペット)は、人間の心を癒してくれます。私は、猫にずいぶん助けられました。
動物虐待などもっての外です。
動物の住みやすい環境を作っていくのも、私たち人間の重要な役割ではないでしょうか。
地球は、人間だけのものではないのですから。
(現代社会学科 中村克明)