日本でバリアフリーといえば、
障害者や高齢者などが社会的生活をするうえで支障となる
物理的・意識的・制度的な障壁(さえぎり)を取り除いた状態をいいます。
この言葉は英語では、より限定的に物理的な障壁を指すものと考えられ、
むしろアクセシビリティという用語のほうが使用されています。
街を歩くと段差をなくすなど、
バリアを取り除いた施工が目につくようになりましたが、
現実的にはまだまだ普及していないと感じられます。
関東学院文学部には、障害をもった学生が在籍しています。
そこで、昨年度、私のゼミナールでは、文学部だけではなく、
関東学院中高、関東学院六浦中高のバリアフリー調査を行い、
教室、エレベーター、トイレなどの改善の提案をまとめ大学に報告をしました。
学生の感想には、
「建物の障害を取り除くことも大切だけれど、みんながバリアフリーに興味を持つことが
大切だと思う。」
「段差解消などではなく、人が手を差し伸べることができる環境を整えることも重要
だと思う。」
「今回のバリアフリー調査を通して、普段自分自身が何不自由なく過ごしている学校にも
さまざまな障害があることに気づくことができた。」
「バリアフリーには、使いやすく簡素であること、より使いやすくするために便利であること、
気持ちよく使えるような配慮があること、そして、将来改造するためのスペースの余裕を
確保しておくことが大切。」
などがあり、調査を通した学生の成長がみらました。
(現代社会学科 山口 稔)