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地域福祉での課題に取り組む

地域福祉実践場面で解決が必要なたくさんの課題に取り組む
『専門職』を応援していきたい
ONUMA HARUHI
小沼 春日
担当科目
地域福祉の理論、地域福祉の方法ソーシャルワークの基盤と専門職Ⅱ 他
今、もっとも関心がある研究テーマは?
『個別支援』と『地域づくり』の双方向のアプローチによる『地域支援』
このダイナミクス を生み出すための『専門職』の重要性
私は、「地域福祉とは何か?」「地域福祉の視点から地域社会をどう創ればいいか?」について研究しています。例えば、『高齢者福祉』や『児童福祉』と聞くと何のための福祉なのかが理解しやすいです。しかし、『地域』という言葉は、非常に曖昧であり、人により受け止め方が違ってくることがあります。『地域福祉』では、まず「地域社会とは何か?地域生活の主役は誰か?」に注目することが必要です。「今日も無事に生活できた、ご飯が食べられて、電気や水道が使えた」など、当たり前の『普通の暮らし』を続くことを目指しているのが『地域福祉』です。その一方、犯罪被害、虐待、貧困・困窮、失業、健康状態の変化(病気、事故、障がい)、そうした要因からの自殺、地域社会からの孤立・疎外など、地域生活には突然の多くの問題があり、子どもも大人も含め、生まれてから寿命を全うするまでの間に起こるこうした問題を考え、解決していくことが『地域福祉』です。
今、地域社会で起きている事件や問題を『地域福祉』の視点から捉えると、『地域支援』が機能不全になった際に問題が噴出している場合が少なくありません。地域課題を解決するためには、『Care by the Community(個別支援)』、『Care for the Community(地域社会そのものを支援する『地域づくり』)』、両者をつなげる『地域支援』、 という3つの関係性を、いかに創り出し、維持していくかが重要です。個別支援の積み重ねの『地域支援』で十分なのでは?『地域づくり』はなんとなくできるのでは?という『曖昧さ』が蔓延しがちな中で、『個別支援+地域づくり=地域支援』という構図を意図的に生み出す専門職の活動が、それぞれの支援を円滑に稼働させるため非常に重要になってきます。
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その研究における醍醐味や、やりがいは?
SOSを出すことを、躊躇することから、
「助けて」とメッセージを出せたことを、たたえる地域社会へ
『個別支援』は『実際に生じた問題への対応』であり、『地域づくり』は『そもそも問題が発生しないための予防』という、それぞれ異なる『専門性』から成り立っています。また、『実際に生じた問題』について、法律だけで解決することはとても難しいものです。であれば、地域ボランティア活動に力を入れればいいかというと、そもそも私たちは、自分が困っているというSOSを出すことが難しい文化で生きているという背景に出くわします。「困っているから助けて欲しい」というSOSを出すことが、「まわりの人に迷惑をかけるのではないか?」と考えている方が多く、SOSを表現しにくい できない風潮もあると思います。そのため、SOSや助けを求めてもいいことを、地道にアプローチして、『受援力』を高めていくことが大切です。そのためにも、SOSを発信することは勇気がいることだと認識することが必要になります。そのためには『集団(グループ)』で『助け合う』経験が大事です。近年では、ICTが発達し、誰かに助けてもらうまでもなく一人で問題解決できることも増えています。しかし、災害時などの『炊き出し』のように、助けられる側も『集団(グループ)』であれば、「私もSOS出してもいいのもしれない」という、他者から支援を受ける際の『心のハードル』が下がると言われています。この『受援力』と、前提となる『共感力』を意識することが大切になります。
私の研究を通じて、地域福祉の実践現場の方々が持つ、「もやもやとした疑問に対して、どう取り組めば良いかがわかる」、「すっきりと整理できる」などの声を寄せていただくことがあります。これが今私の一番のモチベーションになっています。
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ご自身の研究領域で、どのように社会をデザインしますか?
地域福祉実践場面で解決が必要なたくさんの課題に取り組む
『専門職』を応援していきたい
私は、大学院卒業後、現場での経験の必要性を感じて、社会福祉協議会でコミュニティワーカー、精神障がいの方を支援するソーシャルワーカーとして数年間働き、その後研究職に従事し今に至ります。当時の私には、地域福祉実践現場で抱えるさまざまな悩みを相談できるスーパーバイザーがいませんでした。この事が契機となり、実践現場で苦悩を抱いているソーシャルワーカーを支えたいと思うようになりました。『地域づくり』に必要な要素と効果など『見える化』し、地域福祉の実践現場のお役に立てる事ができればと思っています。
『地域支援』も視野に入れた『地域づくり』を行う専門職は、まだ数が少ない状況ですが、優秀なコミュニティワーカーの存在に着目しています。社会をデザインするためには、コミュニティを創造する主体となる『地域住民』が、積極的に参画する必要があります。そのためには、多くの経験を通して地域住民の方々の『解決力』を向上することが必要となります。更に、適切な『葛藤解決』の経験を、地域社会のレディネスに応じたタイミングで投げかけることができる専門職の育成も急務となります。
学生の方々に大切にして欲しいことは、『百聞は一見に如かず』です。まず「やってみる」ことです。私たちは、経験した後の方が「考えやすい」と思います。この「自分が経験したことは、一体どういうことだろう」という疑問を、さまざまな角度から一緒に考えていくのが大学での『学び』です。社会やスポーツでも、「円滑な人間関係をどのようにつくり、維持していくのか」が重要であると思います。学生一人ひとりとの出会いを大切に、一緒に成長し続けていきたいと思います。
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