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図書館概論

歴史から考察し、
平和を創造する
NAKAMURA KATSUAKI
中村 克明
担当科目
図書館概論、図書館サービス概論、日本近現代史 他
今、もっとも関心がある研究テーマは?
誰もが望む平和と人権
明治憲法ができる前、日本では『私擬憲法』がおよそ90ほども出されているのをご存じでしょうか?それらの資料を紐解いて、明治の人が『平和と人権』についてどんな考えを持っていたのか、そして、今の日本国憲法の平和主義にどのような影響をもたらしたのかなど、『日本近現代史』における『平和と人権』についての研究をしています。きっかけは、私が小学校5年の頃に、社会の授業で『日本国憲法』を学び、戦争を放棄していると明文化されていたのを知ったときで、その感動がいまだに忘れられず、考え方の礎となっています。はっきりと戦争を放棄すると書かれた日本国憲法の姿勢は、幼い子ながらも深く感動したのを憶えています。長野の生まれで郷土の真田幸村が好きだったこともあり、高校時代の日本史の成績は全国模試でも一桁の常連になるほどだったのですが、日本史の知識がさらに深まっていく中で平和主義者へも興味を持ち、より学んでいくようになったのです。そうした中で、過去の資料を紐解くと、戦争は、すべてのものを奪い去ってしまうことが分かりました。戦争に、正義はありません。また、犠牲となるのは、ほとんどが庶民です。学生と話をしていると、戦争は軍隊だけが戦っているイメージを持っているようですが、深く話をしていくうちに、学生も徐々に気づき始めます。ニュースになるのは戦争の一瞬の姿ですが、その裏側に隠された多くの悲惨なことを、我々は想像しながら真摯に受け止め、戦争の実態を把握しておく必要があります。
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その研究における醍醐味や、やりがいは?
エビデンスから知る、その時代ならではの知見と考察
『私擬憲法』に関する研究者は数多くいますが、とりわけ植木枝盛の『日本国国憲案』の人権条項を見ていると、明治時代に、すでにここまで記載する力を有する人物がいたのだと感心します。しかしながら、人権条項以外の部分についてまで研究している人はなかなか存在しないのではないでしょうか。『軍事・平和』については、ほぼ誰も研究されておらず、未知の領域であり、それを私のみが手がけて、世の中に発信していることに自負心やプライドを持ち、やりがいも感じています。日々の研究で心掛けているのは、しっかりと資料をみて考察することです。感覚的に決めつけてしまいがちな草案ではありますが、その根底には歴史に裏打ちされたエビデンスが基礎となっていることはとても重要なことです。もちろん、全てを文献や資料だけで解決するわけではなく、真摯な考察が必要ではありますが、必ず資料に基づいた推測だということです。ゼミでは、学生とも推論を共有するのですが、私が用いていなかった視点について、学生が気づかせてくれることもあり、興味深いし、ありがたいですね。新たな発見の共有を楽しんでいます。資料に書いてあることと、当時、著者が考えていたことをその著者の友人の記録などから探ることで、真相が浮き彫りになり、総合的な判断から、その人物に対する知識が深まるといったことも醍醐味といえるでしょう。散歩の最中に、急に論文の内容が浮かんでくることも多いので、ペンとメモを常に携帯しています。道端の野鳥の姿に癒されながら、頭と心は、『平和と人権』の資料の奥深さに寄り添っています。
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ご自身の研究領域で、どのように社会をデザインしますか?
平和に備えよう、普段から相手と平和に話をしよう
歴史を研究して思うことは、社会をどうデザインをするかということは、つまりは『平和を創造すること』だということです。日本の歴史を振り返ると、満州事変を皮切りに、第二次世界大戦の終了まで、実に約70年もの間、なんらかの戦争に関与していたことになります。今まさに、世界は、戦うということについて非常に敏感な日々を過ごしています。そういった世界のニュースに触れるほど、『平和な文化社会を創造する=軍事に頼る世界をつくってはいけない』と、心に強く刻んでいます。今一度、日本はもちろん、世界中で『平和と人権』の歴史を振り返るときなのかもしれません。また、資料には、戦死者は何万人といった概算でしか記録されていませんが、その数字は一人ひとりの貴重な命だということに想いを馳せましょう。戦争の根っこって、何なのだろうか。ほんの数十秒のニュース映像の裏側では何が起こっているのかに目を凝らしてみることです。以前、長野オリンピック閉会式の映像を見ていた時、『WAになって踊ろう』という歌が流れて、オリンピックの最後に国も性別も健常者も障碍者も国家元首も選手も、みんなが一緒に肩を組んで踊る様子に、これだと思いました。人と人とが仲良くなるための基本は、信頼関係を持つことです。お互いに悪口をいっていては友達になれません。でも、何でも言うことを聞けばいいというものでもありません。『WAになって踊ろう』。とても単純なことですが、世界が平和になるためにも、みんなで輪になって踊ろうと伝えたいですね。また、学生には、自分のことだけではなく、冷静になって、相手のことを考えることも大事だということを一緒に考えていきたいと思います。誰にだって、一番大事な命があるし、家族もいるし、自分と同じじゃないかなと考える。そして、輪になって踊ろう。平和を守るためには、平和に備えよう。普段から平和について考えておくことも大切です。学生の皆さん、信頼関係や安心感について、いろいろな話をしましょう。
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