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都市社会学、まちづくり

知ることで⾃分の地域に関⼼を持ち、
可能性を広げる
KOYAMA HIROMI
小山 弘美
担当科目
都市社会学、まちづくり論、フィールドワーク入門 他
今、もっとも関心がある研究テーマは?
様々な課題を解決するために住民と行政の水平的なネットワークを追求
基本的には地域の組織、NPOなどと町内会が連携して、様々な課題を解決するためにどうやって住民と行政が⽔平的なネットワークをつくれるか、という研究しています。私⾃⾝が主婦として地域に根ざした暮らしをしてきた視点があったり、⼈との出会いやコミュニケーションが好きだったり、おもしろい⼈に会うとその⼈のやっていることを伝えたくなったりする性格が反映しているかもしれません。東京の世⽥⾕区が研究フィールドで「世⽥⾕まちづくりファンド」の運営委員もしていました。これは30年もの実績があるファンドで、たとえば、お母さん同⼠が3⼈集まって「⼦どものためにこんな活動をしたい」という⼩さい活動にも簡単な書類で助成⾦を出すんです。世田谷区では1970年代から、住民たち自身が考え行動していくことが地域で取り組まれてきて、今やその素養がかなり育っている。その空気感みたいなものを⾔語化したいと思っています。
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その研究における醍醐味や、やりがいは?
地域を研究し、多くの人に伝える
世⽥⾕区としても、1978年から基本構想に「住⺠主体」を掲げて、⾏政はそのサポートをしたり⻑期的な展望を考えたりする役割を担うものとうたってきました。「協働」という⾔葉がよく使われますが、⼤きな総合計画も⾏政やまちの顔役だけが集まって決めるのではなく、公募した区⺠に⼊ってもらい、区⺠が⽔平に意⾒を⾔えるような取り組みができています。世⽥⾕区の住民活動はコロナ禍であっても、工夫を凝らしながら続ける努力がなされています。例えば、シニアの地域参加促進を目的にして毎年行われている「生涯現役フェア」は、運営者はシニア層ばかりですが、それぞれの得意分野を⽣かして、コロナ禍でもオール・オンラインで実⾏されました。このような柔軟な取り組みができる地域のネットワークは、災害時などにも強みを発揮すると考えられます。ただ、こうしたネットワークづくりをほかの⾃治体でやろうとしても簡単ではありません。普段からの地道で継続的な取り組みが重要です。多くの人は、普段そこまで地域のことを考えているわけではないですよね。けれどその取り組みの重要性を知っている者として、地域で起きていることを研究し、多くの人に伝えていきたいです。だから、基本的に講演依頼は断りません(笑)。
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ご自身の研究領域で、どのように社会をデザインしますか?
新しいコミュニティづくりのためのまちへの「視点」
社会調査の授業の一環で行った自治会の研究では、学⽣とともに地域の盆踊りや新年会に参加して、⾃治会へのアンケート調査やインタビューも⾏いました。若い世代は今や⾃治会の存在すらも知らず、そのため今後自治会は誰が引き継いでいくのかという新たなフェイズに⼊ったようにも感じますが、学⽣の中には知っていくうちに「⾃分の地域にも関⼼が出ました」と⾔う⼈もいます。それがすぐに⾏動として地域に反映されなくても、たとえば将来、結婚して地域で⼦どもを育てるときにコミュニティづくりに⽣きてくるかもしれません。また、⼈⼝が減少し続けている今、地域のマイナスな点を伝えるのも⼤事です。さびれた駅前商店街をどうしたらいいのか。そこで若い⼈たちが安く店舗を借りて⾃分たちでリノベーションして、地域を活性化させている例もあります。そんなふうに、可能性というのは⽬線を変えると広がってきます。誰もがひとりの⽣活者として、まちへの「視点」を持つことで、これからの新しいコミュニティづくりができるのではないでしょうか。
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