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海外お金の払い方事情

教員コラム
2015.05.22
現代社会学科
湯浅陽一

 ごみの捨て方をはじめ、生活に密着したことで、国や地域で異なっていることは数多くあります。今回はお金の払い方について、お話しましょう。
 
 日本でお金を支払う際に使う「カード」と言えば、「クレジットカード」でしょう(電子マネーの話は後ほど)。一方イギリスでは、日本に比べて「デビットカード」が普及しています。お店での使い方は、クレジットカードもデビットカードも変わりません。
 
 2つのカードの大きな違いは、利用者の銀行口座からのお金の流れにあります。クレジットカードでは、いったん、クレジットカード会社が立て替えたのち、利用者の口座からカード会社にお金が落ちます。これに対し、デビットカードの場合は、クレジットカード会社を通さずに直接、自分の銀行口座からお店にお金が入るという仕組みになっています。
 
 日本とイギリスのカード普及の違いを生んでいるのは、手数料です。日本ではクレジットカードで買い物をしても手数料はとられないのですが、イギリスではそれが取られます。イギリス旅行でクレジットカードを使用した人の中には、帰国後、明細をみて、請求金額が品物の代金よりも高いのでびっくりしたという人も多いのではないでしょうか。
 
 ところがデビットカードでは、この手数料はありません(例外もありますが)。デビットカードを使うのは当然です。日本では、クレジットカードの手数料がほとんどかからないので、デビットカードの出番が限られてしまうのです。
 
 それならイギリスに旅行に行くときにはデビットカードを作って行きたいところですが、残念ながらそれはできません。イギリスに住んで、イギリスの銀行口座を持たないと、イギリスのデビットカードは使えないのです。手数料を取られるのはちょっと残念ですが、仕方ありません。
 
image(ポンド・ユーロの貨幣)400
ポンド、ユーロの硬貨
 
 所変わってスウェーデンやデンマークでは、日本と同じように手数料がかからずにクレジットカードが使えました。コンビニでジュースだけを買うときもクレジットカードで、手数料は取られませんでした。クレジットカードがかなり浸透しているようです。ヨーロッパでは、地下鉄は別として、電車には改札はなく、切符はホーム上にある自販機で買います(切符は乗車後、車内で検札されます)。この自販機も手数料なしでクレジットカードが使えるので、便利だなと思っていました。
 
 ここで油断してしまいました。ドイツのベルリンに行ったときのこと。スウェーデンなどでの経験がありましたし、指定されたエリア内であれば5日間乗り放題という、やや高額の切符(もちろん、トータルではお得)を買おうと思っていたこともあり、クレジットカードで買うつもりでいたのですが…。ホーム上の機械がクレジットカードを受けつけてくれません。カードの挿入口はあるので、様々な種類のカードを試したのですが、どれも駄目。どうやら、Maestroというマスターカード系列のデビットカードしか受けつけてくれないようです。知人に尋ねたところ、ドイツでは現金での支払いが基本とのことでした。カードを多用するつもりで、ユーロの現金はあまり用意していなかったのですが、手持ちの大半を使って切符を購入。その後、ユーロの現金を再入手しましたが、レストランなどに入るときも、カード利用が可能かどうかを確認するようになりました。
 
 フランスのニースでは、10ユーロ以下の買い物ではクレジットカードは不可というお店もありました。一方、カードが浸透している国で、日本での1万円札に相当するような高額の紙幣を払うと、お釣りがないということもあります。デンマークで、観光客の多い大きなカフェに入ったときに50ユーロ札(日本円で6000〜7000円くらい)を出したのですが、お釣りの現金がなく、お店中から集めてもらうということがありました。いや、分かってはいたので、ユーロを入手した際「小銭で欲しい」と主張したのですが、聞き入れてもらえなかったのです(両替場所は海外)。小さなお店だとお釣りがないと言われると思ったので、観光客の多い、大きめのお店を選んだつもりだったのですが…。お店の方にはご迷惑をおかけしました。ごめんなさい。
 
image(ポンド・ユーロの紙幣)400
ポンド、ユーロの紙幣
 
 さて、翻って日本はどうでしょうか。やはり現金での支払いが多いと感じますが、目につくのはスイカやnanacoのような電子マネーの普及です。イギリスでもロンドン市内ではオイスターカードという、日本のスイカ・パスモのような公共交通機関用のカードが普及しています。他にはバスの回数券をカード化したものがありますが、電子マネー形式のものは、見た事がありません。日本国内で、かなり独自に進化しているという印象です。
 
 電車の「IC専用改札」などは、海外から日本に来た人の中には、何のことやらさっぱり分からないという人もいるでしょう。自動改札に捕まって困惑している人がいたら、上手に助けてあげられるとよいですね。
 
 
 
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