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西安回族街を訪れて・・・

教員コラム
2017.08.04
現代社会学科
細田 聡

 先日、中国の西安に行ってきました。「西安」というと中国古代王朝の中心地であり、秦の始皇帝や遣隋使・遣唐使の「長安」としてなじみがある方も多いでしょう。日本での「京都」といった感じで、実際、平安京は長安にならって作られたと言われています。ただ、「京都」というと生粋の日本といったイメージがありますが、「西安」はやや趣が異なります。中国の内陸にあり、シルクロードの起点であったことから、昔から多種多様の民族が行き交い、また、そのまま西安に定住した人たちも多かったようです。今回、訪問した西安科技大学のスタッフにも、新疆(しんきょう)ウイグル自治区や寧夏(ねいか)回族自治区出身の方もいました。このように色んな民族が入り混じって構成されているのが「西安」です。
 
 西安の中心部には城壁で囲まれた一画があります。その中に回族街があります。3度目の西安訪問でしたが、今回初めてこの回族街に行くことができました。少数民族である回族(ムスリム(イスラム教徒)の民族)が多く住む地区で、横浜中華街に似て屋台や食堂が並んでいます。その一軒で「臭豆腐」を食すことができました。見た目は日本の揚げ出し豆腐ですが、名前が示すとおりに臭い豆腐で、店先からアンモニア臭が漂います。これを口にするのかと思うとイヤーな感じでしたが、意外と美味しく(!?)、人気があるのも分かります。
 
 この回族街ですが、中国ではなぜ、イスラム教徒が回族と呼ばれるのでしょうか。調べてみると、回紇(ウイグル)の語音の転じた回回が中央アジアの民族を意味し、そこにはイスラム教徒が多かったことから、イスラム教が回教となり、その教徒を回族と呼ばれるとあります。ところが、今回、西安を訪問してこれとは異なる意味があることを知りました。
 
 昔から中央アジアから中国に移ってきた人たちはたくさんいました。いつの時代か定かではありませんが、中国王朝と中央アジアの間で戦があり、国境を越えられなくなったことがあったようです。そのため、中国に多数のイスラム教徒が居残らずを得なくなったのです。自分の故郷に帰りたくても帰れない人々。「帰る」は中国語で「回」を使うそうです。つまり、望郷の念に駆られながらも帰ることが叶わない人々なので「回族」と呼ばれるようになったというのです。
 
 このことを教えてもらって回族街を散策すると、どこからとも流れてくる民族音楽が少し哀しげな音色に感じられました。
 
写真1(300)
西安回族街にある臭豆腐専門店の店先
 
 
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