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東日本大震災と原発事故から経済成長の内実を問いただす

教員コラム
2011.05.27
現代社会学科
浦野 和彦

2011年3月11日に東日本大震災が発生し、東北・関東の東沿岸部を襲った大津波と福島第一原発の事故が重なり、万単位の死者・行方不明者数、巨額の財産の喪失、モノ・人・マネー・情報の流れの著しい混乱がもたらされるなど、この地域の社会とそれを支えてきた産業は甚大な被害を被った。その影響は、直接・間接に、モノづくり世界の中心部に位置する日本の社会全体に、さらに世界の自動車・原子力・情報関連などのグローバルな産業にも波及した。とりわけ原発事故による放射能汚染物質の大気中及び海水への拡散は、地球環境汚染の深刻な問題をあらためて世界中に再認識させた。

 

 
第二次世界大戦後の20世紀後半の日本は、国土を総合的に開発することで産業社会の基盤をつくり、さらに技術革新を進めて経済成長を推進する一極集中的な産業社会を構築し、経済・科学・技術面で新たな世界進出を果たしてきた。国土の総合的な開発は、治山・治水と電源開発をめざした特定地域の総合開発計画から始まった(写真は天竜・東三河地域総合開発計画で完成した佐久間ダム[国内研究中に現地で撮影])が、開発はやがて山から町へ、電力エネルギー資源の調達は、国内資源では間に合わなくなり、海外に多くを依存する石油等の化石燃料さらには原子力等にも頼るようになった。だが、東日本大震災は、このようなかたちで戦後日本が推進してきた経済成長の内実をあるいは経済成長それ自体の意義を根底から問いただすよう、21世紀の我々に課題を突きつけた。今この課題を積極的に受けとめ、産業・経営・労働の分野を社会学の立場からより密度濃く研究していこうと思っている。


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