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県立図書館不要?論

教員コラム
2012.04.06
現代社会学科
山本 宏義

皆さんは神奈川の県立図書館をご存知ですか? 利用したことはありますか? 神奈川県には、横浜市西区紅葉ヶ丘と川崎市川崎区富士見の2か所にあります。

最近全国の何か所かで、県立図書館の在り方について議論が起こっています。それは、主に県庁所在都市に県立図書館と市立図書館が併存していることに起因しています。県立図書館と市町村の図書館とは、法律上はともに図書館法によって設置されていますが、サービス対象が異なり、役割も違います。

県立図書館は全県民を対象にしていますから、県内の市町村図書館を支援して、県立図書館の資料が市町村立図書館の窓口でも利用できるようにすることやレファレンスのサポートをすること。そのために県内図書館のコンピュータネットワークを構築して、その維持管理を行い物流を確保すること。県内図書館職員の研修を行うこと、などが重要な役割です。

ことに今回の東日本大震災では、大きな被害を受けた市町村の図書館に代わって、全国に向かって被災状況を伝え、具体的な支援を要請したり、ボランティアを組織して復旧を助けたりと、県立図書館の重要性を思い知らされました。

 

神奈川県立図書館

神奈川県立川崎図書館

 

ところが、直接図書館に来て利用するかぎりは、資料の内容や量の違いがあっても、使い勝手は市町村の図書館となんら変わりがありません。近年財政状況が悪化してきて、近くに大きな図書館が二つもあっては無駄ではないか、といった短絡的な発言が県立図書館の在り方検討の際に持ち上がっているようです。たとえば最近移転の話が持ち上がっている長崎県では、市立と県立の距離は数百メートルですし、県立と市立を一つの建物に入れようという話が進んでいる高知では、市立と県立は500メートルくらいです。最近県立図書館のサービス体制の見直しが行われた広島県立は、市立中央図書館との距離は1.5キロメートルくらいです。神奈川県立図書館も横浜市中央図書館とは6、7百メートルくらいです。

外見は似たようであっても、資料の中身や役割は異なります。上手に使い分けて、大いに利用し、大いに応援しましょう。

 

横浜市立中央図書館


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