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「司書」への挑戦

教員コラム
2010.10.07
現代社会学科
山本 宏義

司書という言葉が法律の上に現れるのは、1906年の図書館令改正に伴い「公立図書館ニ館長、司書及書記ヲ置クコトヲ得」と規定されたことに始まります。中国の周代に置かれた「書籍をつかさどる職」を意味する同じ職名から転用されたものと思われます。現行の図書館法は1950年に制定されますが、そのときにこの職名を引き継いで「図書館に置かれる専門的職員を司書および司書補と称する。司書は、図書館の専門的事務に従事する。」と規定されました。

(石川県金沢市玉川町にある金沢市立玉川図書館)

 

図書館に置かれる専門的職員を養成するのが司書課程です。関東学院大学に司書課程が開設されたのは1971年です。以来図書館現場に優れた人材を数多く送り込んできました。かつては、ある図書館長さんから、優秀な人材が欲しいといわれて、学生を紹介すると、気に入ってもらえて、そのまま採用されるなどということもあったようですが、時代がずいぶん変わりました。

(石川県金沢市泉野町にある金沢市立泉野図書館)

 

全国の図書館数は増え続けているのに、正規職員の数は2001年をピークに減ってきています。職員の足りなくなったところは非常勤職員とか臨時職員、いわゆる非正規職員といわれる人たちが担うことになりました。さらに近年では、指定管理者制度や業務委託という形で、自治体の職員以外の人が図書館の仕事を受け持つことが増えています。となると勢い自治体の正規職員として司書を募集するところが少なくなってきており、折角司書になる勉強をしたのに司書となる道が狭められています。1人あるいは2人の採用予定に対して、全国から100人あるいは200人ものひとが押しかけるといったことが常態化しています。

 

(金沢市立玉川こども図書館)

 

そのような厳しい状況にめげず、この春比較文化学科を卒業したSさんは、昨年熱い思いをもっていくつかの採用試験に挑戦し、見事金沢市立図書館の司書として採用がきまりました。金沢市の図書館は1930年に創設されましたが、現在の地に中央図書館にあたる玉川図書館が建設されたのが1979年、ついで1995年に泉野図書館、2008年には玉川こども図書館、そして来年2011年春には仮称西部図書館が開館します。文化と伝統のまち金沢は、図書館の整備にも力を入れています。そんな中で彼女はこの4月から全国各地から採用された4人の新人司書のひとりとして、多くの期待をになって毎日仕事に励んでいます。

 

(現代社会学科 山本宏義)


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